建築日記第1話「やっぱりおうちたてようかな」はコチラから!

第69話 袂を分かち合ったハウスメーカー、骨肉の争いをしていた

八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。

    

前回のあらすじ。

       

岡村工務店と同じ分譲地で
建築条件付きとちを販売している
「エイシンホーム」に話を聞くため分譲地を再訪問。
エイシン営業に話を聞いてみることに。

しかしその営業、岡村工務店の土地の事を散々悪く言うだけでなく
見積はぼったくりだと断言し、挙句の果てには
「うちは岡村工務店と同じ条件でも絶対安い価格で家を建てる!」
と放言する始末。岡村工務店に対する
並々ならぬ対抗心を見せつけてくる。

            

なぜ、このように敵意むき出しで張り合おうとするのか。
その理由は「(エイシンホームの)ボス(=社長)の意向」
と言うのだ。
他のハウスメーカーにはそこまでの大綱はしないのに
なぜか岡村工務店だけには徹底対抗をする。。。

      

その理由は、果たして何なのか?

       

ちなみに最初からこの話を読んでみたい
という奇特な方にはこちらのリンクを紹介しよう。

それでは、今日も俺の家の話を始めよう。

とことん相見積もり取って競わせてみようかな

エイシンホームの「衝撃の」ファーストコンタクトから1週間後。
本日は「岡村工務店」→「エイシンホーム」の
打ち合わせダブルヘッダーである。

        

まずは、岡村工務店から話を聞くことに。
本日は簡単な希望をヒアリングしたものを
提案の間取りに反映できるものは反映してもらい
ざっくりとした総額も出してもらう事になっている。

        

ただ、今回は嫁がいないので「持ち帰ります」作戦が容易。
家に持ち帰って後日「ゴメンナサイ」と言うのが
今回の流れ。。。でも、ここにきて気になる流れも出来つつある。

         

当て馬で話を聞きに行ったエイシンホームが
軒並みならぬ気合で、岡村工務店より安く出し抜こうとしているのだ。
これは、岡村工務店で満足いく装備や間取りを
ギリギリまで値引きしてもらったものを
エイシンホームに持っていけば、超破格値で
家に住めるかもしれないという可能性があるのだ。

         

確かに、生活インフラに乏しい土地ではあるが
将来、ひょっとすると開けて都会化するかもしれない?
(まあ、ホンネの話、まず無いだろうけど)
まあ、ハウスメーカー営業とのやりとりを学ぶためにも
値引き合戦に持ち込むのも悪くないと思いつつあるのだ。

         

そんな思いで岡村工務店の事務所の門をくぐった。

安価な土地代がテキメンに総額に現れる

岡村営業「八郎さま、宜しくお願い致します」

八郎「こちらこそ~」

岡村営業「どうです、あの後奥さまと話されましたか?」

八郎「そうですね。。。嫁もゴミ集積場や調整池やらでちょっと気にしてはいましたけど」

八郎「『先立つ物次第』では態度も変わってくるかもしれません」

岡村営業「なるほどお、そうですよねえ。。。」

         

嫁がいないので、堂々と嘘が付ける(笑)
嫁には悪者になってもらって、可能な限りの値下げを引き出してみよう。
そのやりとりを学ぶことが、これが今回の「真の目的」である。

          

岡村営業「それでは、こちらになります」

       

ついに岡村工務店の提案を受けることに。
間取りに関しては、嫁が予め希望してたものは
ほぼかなえられているようだった。
本人に最後確認しないとわからない部分も多いが
岡村営業は提案に自信ありげに説明していた。

         

そしていよいよ!俺が気になっている「見積もり」の提示だ。
予算の3500万円内を明言していた。
家は2階建て延べ床32坪。1階に比べ2階は若干狭くなっているが
充分な広さの提案だった。

           

見積書を見てみると。。。

      

土地代:450万円(62坪)
建物代:2600万円
諸費用:250万円
総合計:3300万円

        

とキタ。建物代2600万円なのに
土地代450万、しかも62坪の広さで!
で、合計が3300万円。かなりリーズナブルだ。
後200万円何か追加オプションを加える
余裕もあるくらいだ。

        

八郎「やはり、土地代が安いと総額も安いですね」

岡村営業「そうですね~土地が安いんですけど」

岡村営業「X市もY市もZ市も、場所場所で便利不便はあるかもしれませんが」

岡村営業「基本クルマ社会である事は変わりありません」

岡村営業「お支払いも安いに越したことはありませんし」

岡村営業「Z市も転入による人口増に力を入れております」

岡村営業「知名度が上がると土地代も例外なく上がります」

岡村営業「そういう意味では『今がチャンス』とも言えますよ」

       

なるほど、岡村工務店の口上はそんな感じか。
では、コチラも少しずつ、切り札を見せていくとするか。

露骨にイヤな顔をする岡村営業

八郎「いや、実はですね、●●地区の分譲地が気になってですね」

八郎「実はもう1社、話を聞きに行ったんですよ」

岡村営業「えっ?」

            

この話をすると、岡村営業、表情が一気に曇った。
これは、単純に競合他社が現れたからなのか?
それとも、それ以上の何か、を感じたのか。。。

        

岡村営業「ちなみに。。。どちらのハウスメーカーですか?」

      

やや、諦めにも似た間を入れて
ハウスメーカーを聞いてくる岡村営業。
やはり。。。エイシンホームとの間には
何かがあるのかもしれない
そう勘繰ってみた。

        

八郎「エイシンホームです」

岡村営業「」

        

絶句する岡村営業。
勘繰りは確信に変わった。
この2社の間には、何かがある。

         

岡村営業「エイシンホームさん、うちについて色々言ってきませんでしたか?」

         

既に二仕事終えたくらいの疲れた表情で
聞いてくる岡村営業。
どうやら、これまでも2社の間での
顧客の取り合い時には何かしらあっているのかもしれない。

       

八郎「色々。。。ってどんなことですか?」

岡村営業「例えば、あの調整池の隣の土地は危険ですよ、とか」

岡村営業「岡村工務店はぼったくりですよ、とか」

岡村工務店「岡村工務店の見積もり見せてもらえれば、同じ内容で絶対安くしますよ、とか」

八郎「。。。あ、岡村工務店さんも知ってるんですね」

岡村工務店「ええ。。。この手口で競合している多くのお客さんをエイシンホームさんに取られてますよ」

       

どうやらこの岡村工務店dis営業は恒常化しているようである。
岡村営業が疲労感いっぱいの表情になったのは
今回もエイシンホームに取られそうな気配がしているのかもしれない。

       

しかし気になるのは、なぜ、エイシンホームは
岡村工務店の客だけは意地でも奪い取ろうとするかである。
岡村営業の様子を見ても、相当顧客を取られているのは
火を見るより明らかである。

       

八郎「家の話に入る前にひとつ聞いても良いですか?」

岡村営業「はい。。。」

八郎「エイシンホームはなぜ岡村工務店の悪口を言ったり」

八郎「競合している客を金にモノを言わせて奪おうとするんですか?」

岡村営業「あ、その話は聞かれていないんですか?」

八郎「はい、最初は悪口から始まって、その後ボッタくりと言いふらして」

八郎「そして見積もり持ってきたら、同じ施工内容で価格はくぐりますよ」

八郎「までは話してくれましたけど、それ以外は何も言ってなかったですね」

岡村営業「なるほど。。。そうなんですね」

岡村営業「いや、実は、お恥ずかしい話なんですが。。。」

        

俺の新しい家の話、今日はここまで。

次回予告

エイシンホームが岡村工務店の悪口を言ったり
見積もりをくぐってまで顧客を奪い取ろうとする
「強引な営業」には理由があるという岡村営業。

             

ハウスメーカーにも、そんな話があるのか
と驚愕の内容が岡村営業から語られるのだが
岡村営業も反撃の機会を伺っていようとは。。。

         

まだまだ続く「岡村工務店」vs「エイシンホーム」

        

次回「同じ内容でも施工金額が安いのは安いなりの理由があるんです」

お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!

このブログはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。尚、どこかで聞いたことあるような話もあるかもしれませんが、全て筆者の作り話ですので現実になぞらえて考えないようにお願いします。読んで気分が悪くなる方は読むのをお控えください。

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