建築日記第1話「やっぱりおうちたてようかな」はコチラから!

第52話 ハウスメーカーにおだてられいい気分になってしまう施主

八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。

    

前回のあらすじ。

        

信条営業から我々の予算すれすれで家を建てる事が出来る
「規格住宅」のプランを提案してもらったのだが
それと同時に提案されたのが「仮契約」というもの。

しかし仮契約の内容を聞いて戦意喪失。
土地を見つけていない人は
「自分で探すか」「仮契約をして信条ホームに探してもらうか」
の2択。これは土地を自分で探せない人は
「仮契約」をして探してもらわないといけない流れだ。

       

しかも仮契約するには手付金として

100万円

を振り込む必要があるという。
仮契約を解除すれば100万円は全額戻って来るらしいが
それにしてもいきなり100万円振り込めと言われて
困惑の極みの我々家づくり素人夫婦な訳で。

       

この流れから、信条ホームとの話を
どうしようかと思案してしまう事に。。。      

                 

ちなみに最初からこの話を読んでみたい
という奇特な方にはこちらのリンクを紹介しよう。

それでは、今日も俺の家の話を始めよう。

いったん保留

信条営業「とりあえず、仮契約だけでもしてみませんか?」

      

とりあえず、と言われても
100万円を振り込まないと仮契約は出来ない。
信条ホームで真剣に家を建てよう、と考えるのであれば
仮契約してもいいかもしれないが
こんなに急かされると何だか嫌な気持ちしかしない。

       

しかし、仮契約と言うのは基本的な家を建てる内容は
「合意」という事になる。
オプションの選択は残っていても
間取りを変えたりするのはNGになるかもしれない。

       

そもそも信条ホームで家を建てよう!
という気持ちになれないし
それ以前に、このせっかちともいえる
若手営業に自分たちの未来のマイホームを
託してみようという気持ちになれない。

      

どう考えても時期尚早としか言えない状況。
ここは「見」。様子見が一番と踏んだ。
何よりネオアーバンハウスの提案も控えている。
嫁が乗り気なあちらのハウスメーカーが
及第点の提案をしてくれれば
それでハウスメーカー選びは終了となるはずだ。

       

八郎「信条営業。。。今の時点で仮契約をしようと言う気にはなれません」

信条営業「いや、そんな重く考えないでください」

信条営業「形式的なものですよ、振り込んでいただく100万円も」

信条営業「気持ちが変わって仮契約を解消すれば全額戻ってきますよ」

        

。。。やたらと仮契約をさせようとする態度に
だんだんイラついてきた。
ちょっと、試してみようか。

       

八郎「。。。じゃあ、100万円振り込まないで仮契約って言うなら考えます」

       

すると、信条営業。
やや顔をこわばらせてこう言うのであった。

       

信条営業「いえ、それは出来ません、仮契約はあくまで」

信条営業「100万円が振り込まれた時点で成立するものです」

八郎「じゃあ、私も正直にいいますね」

信条営業「はあ。。。」

八郎「なんだか『仮契約』をさせるために色々言われるこの流れが」

八郎「私の心に落ちないので、仮契約も含めて、一旦家に持ち帰って考えます」

この世の終わり        

こう言い放つと、信条営業の落胆ぶりはすごかった。
まるでこの世の終わりのような顔をしている。
なんでこんなにこの人は余裕が無いのだろうか。
保留にしますと言うだけでなぜこんなに落胆するのか?
仮契約を取るように上司からせっつかれているのだろうか。
いずれにしてもこの流れは絶対におかしい。

        

八郎「すみません、もろもろ決まったらこちらから連絡します」

       

そう言って席を立とうとすると
我々を恨めしそうに見つめ
信条営業がひとこと。

        

信条営業「。。。他にもハウスメーカー、回られているんですか」

八郎「はい、そうですね」

       

信条営業、がっくりうなだれていた。

          

と言う流れで、信条ホームを後にする我々夫婦。
ここはもう、無いかなあ。。。そう思いつつ嫁に

        

八郎「信条ホームって、アリ?」

      

と聞いてみると

      

嫁「うーん、家が気に入る気に入らない以前の問題として」

嫁「営業君が心許ないかなあ、あれじゃあねえ。。。」

      

と俺とほぼ同じ印象になっており
ここで家を建てる事は無いだろうな
そう確信するのであった。

待っていました!

いささか拍子抜けするような感じで
信条ホームを後にする我々。
ネオアーバンハウスとの打ち合わせにはまだ
1時間以上時間がある。。。という事で
一旦展示場を出て近くのファミレスで
ランチを取る事にした。

        

ファミレスの席上では嫁が
「仮契約で100万円とはなんだ」
「あの営業にマイホームは任せたくない」
等、確かに言っている事はごもっともなんだけど
ファミレスで言う話でも無いような。。。
と複雑な気持ちになりながら嫁の話を聞いていた。

      

しかし、話す場所はわきまえてほしい物の
嫁の言う事も極めてセイロンティーだったので
俺もなだめながらなんとか次の打ち合わせまでには
穏やかな嫁になってもらうべく、相槌を効果的に入れつつ
クールダウンを図る。
何とか食後のコーヒーを飲むころには
いつもの嫁に戻ってくれた。

       

いよいよ嫁の本命ハウスメーカー
ネオアーバンハウスへと乗り込むことにする。

       

。。。しかし、ここのハウスメーカーは
俳優の役所広司似のダンディーな
「所長」という肩書の営業が出てきたのは良いが。。。
ファーストコンタクトの最後ら辺の
予算の話になると、それまでの勢いはなりを潜め
その予算で建てられなくはないですが。。。
なんとか頑張ってみます。。。
みたいな「The フェードアウト」を地で行くような展開に
不安が拭えないのもまた事実であった。

        

信条ホームも、頓挫しそうな雰囲気の中
ネオアーバンハウスもダメっぽさが漂うとなると。。。
またハウスメーカーをイチから探さないといけない
そんな展開になりそうで、それも不安でしかない。

        

あれこれ考えても埒が明かないし。。。
とりあえずは行ってみて。それからの事は
それから考えよう。

       

B型特有の「なるようになるさ(なるようにしかならない)」気質で
それ以上深くは考えずに、展示場に突入する事に。

    

八郎「こんにちは~」

アーバン所長「これはこれは八郎さま、いらっしゃいませ!」

八郎「」

嫁「」

         

役所広司似のアーバン所長がニコニコしながら近寄ってくる。
こちらは最初から異様な展開になり
夫婦ともに一歩引くような空気感だ。

         

アーバン所長「どうぞこちらへ!」

        

今回はリビングと思しき腰掛のソファーに
ローテーブルの机が並んでいる所に通される。
既にテーブルには

「八郎様邸 ご提案書」

なるものが並んでいる。
所長のオーバーアクションは気になるけど
こんな感じで我々を迎えてくれると
なんかテンションは上がる。
封筒からババーンッ!と出されるのもドキドキするが
こうして並べられるのワクワクするものだ。

         

夫婦ともどもソファーに腰掛けると
いきなりアーバン所長がまくし立てる。

        

アーバン所長「八郎さま、私が言うのもなんなんですが」

八郎「はあ。。。」

アーバン所長「本当に、メチャメチャついていますよ!」

八郎「まーた、ありもしない『キャンペーンに当選しました!』とかでっち上げて、我々を浮足立たせようという作戦じゃないでしょうね?」

アーバン所長「いえいえ、そんなキャンペーンとか胡散臭い物ではありません」

アーバン所長「八郎さまのお声かけのタイミングに我々の販促がどんぴしゃハマった、と言う感じです」

アーバン所長「八郎さまの前も後のお客さまも、この話はしておりませんし、恐らくできないと思います」

八郎「ホントですかぁ。。。」

      

アーバン所長の胡散臭い話術に違和感を感じながらも
だんだん悪くない気がしている、情弱夫婦なのであった。

       

俺の新しい家の話、今日はこれまで。

次回予告

ネオアーバンハウスの所長は
我々を浮ついた気持にさせるような営業トークを繰り出す。
そんなトークに違和感は感じつつも
だんだんそのトークの術中にはまっていく
我々情弱夫婦。

        

そして、気になる提案書の公開。
我々の予算ぴったり3500万円での提案の裏には
ゲゲッと驚く「値引きのカラクリ」が。。。

         

次回「あなたの新築物件を一般公開してくれたら値引きします!」

お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!

このブログはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。尚、どこかで聞いたことあるような話もあるかもしれませんが、全て筆者の作り話ですので現実になぞらえて考えないようにお願いします。読んで気分が悪くなる方は読むのをお控えください。

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