八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。
前回のあらすじ。
家づくりの資金援助を頼みに実家に赴くも
オヤジの認知症は進行し
オヤジが書いた終活ノートには
「遺産は全額オフクロへ」
と書かれてあり、とても
家づくりの資金援助の話は出来なかった。
嫁にこの話をすると「それは仕方ないよ」と
理解を示してくれたのだが。。。
俺の方が納得いかないのであった。
このままだと、マイホームの話
無かったことになってしまいかねない。
ちなみに最初からこの話を読んでみたい
という奇特な方にはこちらのリンクを紹介しよう。
それでは、今日も俺の家の話を始めよう。
臭い物に蓋をしてきたツケ
実家でなんやかんやあった日の夜。
夕飯食卓で嫁に実家の状況を伝えると
マイホームの事はイイからお義父さんをちゃんと看た方が良い
という至極もっともなご意見をいただいてしまった。
嫁のいう事はごもっともである。
しかし、これで諦めてしまっていいのだろうか?
俺の方がモヤモヤしてしまう。
恐らく俺の年齢・収入だとマイホームを建てるのはラストチャンス。
本当に自分たちが満足する家を建てたいなら援助も必須だろう。
なんでこんなタイミングまで
嫁の夢をかなえることを放置していたのだろう。
と、今更いい人ぶったところで時間は帰ってはこない。
何より、嫁の夢を見て見ぬフリをしていたのは
他ならぬ「俺」なのだ。
もっと早く嫁の夢に向き合っていれば
時間も手段も格段に増えたはず。
時すでにお寿司なのだ。
オヤジの事もそうだ。
オヤジの介護にもっと真摯に向き合っていれば
今日でも話すことが出来たのかもしれない。
逃げ回っていて、自分の立場を自ら危うくしたから
今日は何も進展しなかったのだ。
結局のところ、俺は弱いのだ。
面倒なものは見て見ぬふりをする。
臭い物に蓋をする。
この後回し主義な性格が災いし
全てを手遅れの状態にしてしまっているのである。
最後の、チャンス?
という事は、マイホーム、万事休すなのか?
そう俺は再度自分に問いただしてみた。
本当にもうノーチャンスなのか?
お前はそれでいいのか?
嫁の夢を、潰してしまっても後悔しないのか?
いや、それはしてはならない。
オヤジが大変な状況にあるのも分かっているが
俺たちのマイホームも崖っぷち。
もし、このタイミングを逃せば
もう2度とマイホームを建てる事が出来る
チャンスは巡ってこないだろう。
どちらも「待ったなし」の状況なのだ。
しかし。。。よくよく考えてみれば
オヤジにマイホームを建てるからカネを援助してくれ!
と言えるチャンスはまだあるかもしれない。
それは、オヤジの容体が常に、実家に行った時のような
「認知症が進行している状況」じゃない時もある、という事だ。
しかし、血管性認知症は確実に進行している。
その内、オヤジが家族の誰をも認識できない日が
常態化する日が来るかもしれない、という事だ。
それが、5年後なのか、1年後なのか、1か月後なのか。。。
それは誰にもわからない。
しかし、オヤジの血管性認知症が進行している
この事実は否定できない。
ならば。。。オヤジの状態が良い時に
一刻も早く、頭を下げてお願いするして
オヤジの承諾を得るしか
嫁の夢をかなえる方法はない!
俺は次の日、早速オフクロに電話した。
八郎「オフクロ、俺、どうしてもオヤジに話したい事があるんだけど」
八郎「オヤジの状態が良い日をさ、当日でもいいから教えてくれない?」
八郎「会社終わったら、実家にダッシュで行くからさ」
オフクロ「あんた。。。それはいいけど。。。お父さんに話って何?」
八郎「。。。それ、今話さないとダメ?」
オフクロ「お父さんの状態がいい時に、お父さんがショックを受けるような事は行ってほしくないの」
八郎「ショックかあ。。。受けるかなあ。。。図々しいとか、むしがいい、とかは言われそうだけど」
オフクロ「。。。八郎。。。お父さんに何を話そうとしているの?」
確かに、オフクロには話を通しておいた方が
ひょっとしたら助け舟を出してくる可能性もゼロじゃやないかも
そう思い、これまでの経緯と
嫁の為にマイホームを建てたいんだが
お金が足りないから、生前贈与的なヤツで
資金援助をしてほしい旨を伝えた。
最後のお願い
オフクロ「あんた、お父さんの面倒もロク見ないで、よくそんな事が言えるわね」
八郎「」
オフクロは呆れ気味に俺に冷たく言い放った。
が、次の瞬間
オフクロ「と、言いたいところだけど、嫁ちゃんさんの為なら、まあ、私はいいわよ、って言ってあげてもいいかな」
八郎「。。。すまない。。。」
オフクロ「もう、あんたまで不穏な事言い出すんじゃないかって、ドキドキしたわよ」
八郎「。。。???あんた『まで』?」
俺のツッコミに今度はオフクロが気まずそうな顔をした。
オフクロ「ちょっと。。。口が滑っちゃったわね」
八郎「『まで』ってことは弟も何か言ってきたのか?」
オフクロ「いや、弟は。。。正式には聞いてないけど、何となく。。。ね」
弟も金に困っているのか?いや、そんな事は無いはずだ。
あそこは夫婦正社員のツインターボでバリバリの共稼ぎだ。
弟が看護師、嫁さんはwebデザイナーだ。
金には無問題だ。金には無問題だけど。。。あっ!
弟との正月の時のやりとりを思い出した。
八郎「あいつ、まさか、リコンとか言い出したりしてないだろうな?」
オフクロ「!!!あんた、知ってたの?」
八郎「あ、いや正月、弟とさしでぶっちゃげ話したことがあって」
八郎「その時に、何かそれらしき匂いがする話を聞いた気がする」
オフクロ「まあ、お父さんの事が落ち着くまではそのままみたいだけど」
オフクロ「修復は難しいかも、とか言い出すのよ」
八郎「マジか。。。」
オフクロ「まさか、あんたもそんな事言い出すのかと思って具合が悪くなったよ」
八郎「ああ、すまんすまん」
オフクロ「でも、そっちは嫁ちゃんさんの事はちゃんと考えてみるみたいだから、そこは安心したわ」
オフクロに気苦労をかけてしまったのは申し訳ないが
オフクロは味方になってくれるようだ。
後は、オヤジを説得するだけだ。
そして、後日、オフクロから電話が。
オヤジ、今日はすこぶる状態が良いらしい。
俺は仕事終わりに実家に行くと伝えて電話を切った。
俺の新しい家の話、今日はここまで。
次回予告
家づくりを諦めきれない俺は
オヤジの状態が良い時に実家を訪問し
家づくりの資金援助を直々に頼むことに。
果たして、オヤジは首を縦に振ってくれるのか?
次回「住宅を購入するための生鮮贈与っていくらまで非課税なの?」
お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!
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このブログはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。尚、どこかで聞いたことあるような話もあるかもしれませんが、全て筆者の作り話ですので現実になぞらえて考えないようにお願いします。読んで気分が悪くなる方は読むのをお控えください。