八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。
前回までのあらすじ。
嫁にマイホームのはなぜ戸建なのか?
間取りの要件を満たせば
賃貸や分譲マンションではダメなのか?
そんな質問をしてみた訳だが。
嫁とお付き合いさせてもらって、尚且つ
結婚して今に至るまで20年近くの歳月が
流れているが、この20年間でも聞いたことのない話が
嫁の口から、語られようとしていた。。。
それでは、今日も俺の新しい家の話を、始めるとしよう。
昔、嫁が子どもの頃の話
嫁「そう言えば、この話、八郎ちゃんにはしてなかったかな」
と、突然語り始める嫁。
え?この話、ってどんな話???
家に関する話って何か聞いたことあったかな?
記憶の引き出しを一生懸命開けて
嫁の言う「この話」を必死で探す。
しかし、探し出す前に
嫁からポツリと話し始めた。
嫁「私、子どもの頃ビンボーだった、って話はした事あると思うんだけど」
八郎「ああ、それは聞いたことある」
嫁「実はそれ、ちょっと端折った内容、と言うか、結論、みたいな感じで」
八郎「???」
嫁「実は『ビンボーになった』が正しいんだよね」
八郎「ほお、それは聞いたことないかも」
嫁「私は昔の事なんか話してもしょうがないと思っていたし」
嫁「同情を引くような話もしたくなかったから」
嫁「この話はしなかったんだけど」
嫁「マイホームを戸建にこだわる理由は何か?と聞かれたら」
嫁「この話は関係なくはないと思うから話すね」
八郎「わ、わかった。。。」
嫁「実は、昔、私がこどもの頃は『長屋風の一軒家』に住んでたの」
八郎「へぇぇぇ。。。」
とまあ、こんな感じで永遠、会話調が続くと
読者も読みづらいだろうから
俺が嫁から聞いた話を
まとめた形で披露する事にする。
嫁は幼い頃は、長屋風の一軒家に住んでいた。
うまく表現できないが長屋だった建物を改築して
一軒家として機能するようにしたそうだ。
なので、めちゃ広く部屋数も多い長屋風の一軒家だった。
「おもちゃ部屋のみでドーンと1部屋」
で、玄関で下ばきを履いて、外に出て
子ども部屋の玄関で靴を脱いで移動する
と言った感じだった。
子ども部屋には嫁のままごと道具が常時広がり
弟のプラレールも常設してある
普通の子どもにとっては夢のような部屋だったそうだが
その特異性が、嫁も嫁の弟さんも当然知らない。
嫁も小学校にあがり、人の家に出入りするようになって
自分の家が随分特殊であるという事を知ったようだ。
比較対象が無ければ、自分の世界が常識になるのは
しごく当たり前の事。
嫁は、そんな長屋風の自分の家が嫌いではなかった。
自然と生き物に囲まれた家
家のつくりも他と比べると特異だったが
更に特異だったのはその敷地面積の広さ。
なんと200坪以上も敷地面積があったその家は
いちじくや柿と言った果樹や
小さな畑も存在し、四季折々の野菜を植えていたそうだ。
夏には必ずラグビーボールの形をした
小玉スイカが植えられ、割ると中身の果肉が黄色だったらしい。
それを、氷水につけて冷やして食べるのが
夏の楽しみだったらしい。
また敷地内には、にわとり・犬を飼い
室内にはジュウシマツを飼う等
生き物も沢山いる家だった。
鶏の産みたてのたまごを食べたり
庭で犬と遊んだり
家の中ではジュウシマツがかわいかったりと
家族だけでなく、生き物からも
エネルギーがもらえる家だった。
嫁のお父さんとお母さんは
思慮深く優しい方だった。
怒鳴ったり、手を上げたりする事も無く
常に対話をもって教育するようなスタイルだったらしい。
嫁の家族は、そんなお父さんとお母さん
そして弟ふたりに、犬に鶏にジュウシマツに。。。
ととても賑やかで、幸せな家庭だったようだ。
。。。あの「事件」が起きるまでは。
突然の別れ
そんな幸せな日々は、突然終わりを告げる事になる。
ある日、嫁が小学校から家に帰ると
ある「異変」に気が付いた。
今朝がたまで、コッココッコ言っていた鶏が
庭から忽然と姿を消していた。
それどころか犬小屋に繋がれているはずの
犬のタケシもいなくなっていた。。。
これはただ事ではないと思い
急いで玄関をくぐると
いつもは仕事に出て無いはずのお父さんの靴が
玄関にある事に気が付いた。
食卓にはお父さんとお母さんが
にこやかな笑みを浮かべて待っていた。
弟二人は、既に学校から家に帰っていたようだが
顔を下に向けた状態で座っていた。
その顔は何かに怯えていようだった。
何もかもがおかしい、異常である。
普通、この時間はお父さんは仕事に出て不在だし
お母さんは家より庭にいる可能性が高いし
家にいたとしても、掃除か洗濯かどこかの部屋を掃除していて
食卓に座っている事なんて年に数回あるかないか。
弟たちは外かおもちゃ部屋で遊んでいるはず。
なのに、この時間に家族が一堂に集まっている。。。
それが、逆に異質さを増していた。
父「○○ちゃん(←嫁の名前)お帰りなさい」
嫁「お父さん、にわとりもタケシもいなくなってるけど何かあったの?」
父「うん。。。鶏ともタケシもお別れしなくちゃいけなくなって」
父「他の人に世話を頼むことにしたんだ」
嫁「え?お別れ、え?なんで???」
今朝まで、いや、学校が終わって帰り道までは
いつもの日々だった。
しかし、家の敷地に入ると
何だがそれまでとは違う世界に足を踏み入れたみたいに
空気も世界も変わっていた。
今でいうところの「異世界」みたいな世界で
自分の見たことが無い、知らない世界がそこには広がっていた。
母「○○ちゃん、急でごめんなさいね、これから引っ越ししなくちゃいけないのよ」
嫁「えっ!?」
お母さんまで訳の分からないことを言い出して
いよいよ気持ちが追いつかなくなる。
お別れ?引っ越し?
引っ越しってそんなに急にするものなの?
学校にも何も言ってない。
普通転校する前は担任の先生から
「あと○日で●●君/ちゃんはどこどこに転校することになります」
なんて紹介があるはずだが、そんな話聞いてなければしても無い。
今日で学校の友達ともお別れなのか?
嫁「学校の友達ともお別れなの?」
母「そうなの、ごめんなさいね。。。」
嫁「そ。。。そんな。。。」
いよいよ急展開すぎて頭がパニックになる。
弟二人は、下を向いたままポロポロと涙を流している。
こんなの私の知っている家族ではない。
私の知っている家ではない。
にわとりの産みたてのたまごをご飯にかけて食べた
あの平和な今日の朝の時間はどこへ行ったのか?
父「○○(←嫁の名前)、時間が無いんだ、頼む」
母「2日間お泊りできるくらいの洋服だけを準備したから」
嫁「」
そう言うと、遠足に行く時のリュックサックに
洋服と下着と寝巻がまとめられていた。
気が付くと弟たちの足元にも
同じようにリュックサックが準備されていた。
母「それがあったら大丈夫よね?」
嫁「ちょ、ちょっと待って!これだけしか持っていけないの?」
おもちゃ部屋の長屋にて
嫁「せめて。。。おもちゃくらいもっていかせてほしい」
嫁がそう言うと弟二人もパッと顔を上げた。
姉であるところの嫁のいう事に賛同したのだろう。
お母さんは困ったような顔をして
お父さんをみやる。
父「。。。わかった、じゃあ1つだけ持っていきなさい」
母「。。。今度住むところは今まで見たいに広くはないの、ごめんなさいね」
お母さんは努めて優しく話しかけてくれているようだが
その目は涙が洪水寸前になっている事は
子どもの目からも明らかだった。
嫁「。。。わかった!ほら、あんたたちも、行くよ!」
そう言って嫁は弟二人を連れて
おもちゃ部屋に急いだ。
これが、最後になるであろうおもちゃ部屋。。。
やはり広い。。。
私のままごとセットと、弟のプラレールを
常設してもまだまだ有り余る広さだ。
最初は、三人散り散りになって
思い思いのおもちゃを選んでいたのだが
その内、弟ふたりが私の所に寄って来た。
長男「お姉ちゃん。。。」
嫁「なに?もう決まった?」
長男「。。。ウエエエーーーーーン( ;∀;)」
次男「ウエエエーーーーーン( ;∀;)」
嫁「え、え、え、どうしたの?」
長男「こわかったよー」
次男「ウエエエーーーーーン( ;∀;)」
嫁「ちょっと。。。何があったの?」
長男「。。。お父さんとお母さんから言うなって言われたけど」
長男「やっぱり、お姉ちゃんには話す」
次男「ウエエエーーーーーン( ;∀;)」
俺の新しい家の話、ならぬ
嫁の昔の家の話、今日はこれまで。
次回予告
やっぱり1回では終わらなかったな、嫁の前の家の話。
俺の文章力ではこれが限界だ、許せ。
次回で完結予定だ。
嫁が戸建てにこだわる理由が
次回、明らかになる?
次回「嫁のマイホームの夢はかなえてあげなきゃならん!と思った理由(2)」
お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!
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このブログはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。尚、どこかで聞いたことあるような話もあるかもしれませんが、全て筆者の作り話ですので現実になぞらえて考えないようにお願いします。読んで気分が悪くなる方は読むのをお控えください。