八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。
前回までのあらすじ。
信条ホームの営業トークにモヤモヤする気持ちを
引きずったまま、嫁の気になるハウスメーカー
「ネオアーバンハウス」の門を叩く情弱夫婦。
このハウスメーカーを嫁が気に入った理由は
なんと「外観」。
性能重視の俺と
見た目重視の嫁の家づくり。
このふたりの「かみ合わなさ」は
どんな物語を紡ごうとしているのか?
それでは、今日も俺の新しい家の話を始めよう。
出てきた住宅営業が、なんと水鳥拳の…
とりあえず飲み物を聞かれて
各々の好きな飲み物を注文して
ダイニングテーブルに座りながら
ふたりで首をぶんぶん振り回す。
デザインとか見た目とかに興味が無い俺でも
信条ホームよりは全然オシャレであることがわかる。
正しい表現なのかはわからないが
随所にオシャレ、いちいちオシャレなのだ。
嫁は目を輝かせながら周囲を見たわしている。
こんな調度品に囲まれて生活を送る事が出来れば
嫁は幸せなのだろう。
俺からしてみれば。こんな調度品揃えようとしたら
幾らかかるんだろうと、要らぬ皮算用をしてしまう。
こんな外観や中身の装備で家を建てたら
間違いなく予算を上回りそうである。
ここで家を建てるのであれば
お金をかけるポイントと絞るポイントを選ばないと
予算が飛んでもなくなるだろうな。。。
そんな希ガス、という感じがした。
そんな事を考えていた時。
奥の部屋から人が近づいてくる気配が。。。
アーバン所長「ようこそ、ネオアーバンハウスへ」
そう声をかけながらダイニングテーブルに近づくひとりの男。
見た目50代の男性か。しかし、髪はふんわりパーマ。
濃い眉に濃いひげ。大きな瞳。浅黒い肌。
見た目は。。。
芸能人で言えば「役所広司」をチャラくした感じ。
ブラウンのベストを着ており
崩したビジネススタイルみたいな着こなし。
どうやらこの会社の社風のようだ。
そういえば、役所広司って。。。
何かのハウスメーカーのCMをしていたような。。。
イタっ。。。ちょっと頭がズキっとした。
思い出そうとすると、頭が痛くなる。
俺は思い出すことを辞める事にした。
アーバン所長「私、ここの所長をしております『アーバン所長』と申します」
八郎「!」
嫁「!!!」
この役所広司似の営業は
何とネオアーバンハウスの所長であった。
この営業所の所長という事だろうか。
アポを取らなくても所長が対応してくれるのか。。。
夫婦一同、呆気に取られてしまった。
始まりはいつも突然に
八郎「。。。所長さんが、我々のような一見さんを対応してくれるのですか?」
思わず思ったことを口にしてしまう。
信条ホームは一見さんである我々を放置プレーしてくれた。
これから予約必須だな。
そう痛感した瞬間だった。
しかし、ここはどうだ。
いきなり訪問しても、所長が話を聞いてくれる。
何でこんなに対応に差があるのか?
その疑問が思わず口に出てしまった。
するとアーバン所長。
笑みを浮かべながらこう答えてくれた。
アーバン所長「ご主人、あなたの第一声ですよ」
八郎「え、私ですか?」
アーバン所長「展示場に入ってこられて」
アーバン所長「『こんにちは~家見に来ました~』って大きな声で言われたでしょ?」
八郎「はい、嫁は隣で『恥ずかしいっ』って言うてましたけど」
嫁「」
アーバン所長「いや、奥さん、そういうのが結構大事なんですよ!」
嫁「。。。そうなんですか(呆)」
アーバン所長「いやいや、ホントそうなんですって」
アーバン所長「『始まりは突然に』って言葉、私好きなんですけど」
アーバン所長「そういう素敵な出会いは突然やって来るもんなんですよ」
アーバン所長「私の人生の場合は特にですね」
何を言い出すんだろう、この所長、頭は大丈夫なのか。
そういう心配は頭をよぎったのは事実だ。
しかし、一方で俺のあいさつを肯定されたのは素直にうれしい。
人間、あいさつに始まりあいさつに終わる。
これは老害と言われようとも俺の曲げられないポリシーのひとつだ。
コミュニケーションはあいさつから生まれるのだ。
そんな俺のポリシーを肯定するかのように登場した
ここの所長には「人として大丈夫なのか?」と言う心配と
「俺のポリシーを肯定してくれて嬉しい」という
ふたつの相反するする感情が芽生えたのも事実だ。
スバラシイ!合格です!!
アーバン所長「いきなりですが、ひとつ、お聞きしたい事があります」
八郎「。。。なんでしょうか?」
アーバン所長の質問に、またしても何か引っかかりを感じる俺。
最初からぐいぐい押してくる感じには
やはり違和感を感じてしまう。
アーバン所長「どうして、我々『ネオアーバンハウス』の展示場に来てくれたのですか?」
八郎「あー、それは私より嫁の方が答えてくれると思います」
アーバン所長「ほう、奥さまがですか」
嫁「えーと。。。」
アーバン所長「。。。」
嫁「ここの展示場、12個のハウスメーカーが入っていると思うんですけけど」
嫁「その中で、ここが一番見てワクワクしたからです」
アーバン所長「ほう」
嫁「こんな家に住んでみたいと思いました!」
アーバン所長「スバラシイ!合格です!!」
八郎「」
嫁「」
何なんだこの安っぽい演技みたいなやり取りは。
しかも俺たちがハウスメーカーを「選ぶ側」の立場なのに
「合格です!!」とか言って、いつの間にか
選ばれる側に挿げ替えられている。
なんなのこの茶番。。。
アーバン所長「奥さまのその気持ち、大事なんですよ」
嫁「そ、そうなんですか?///」
アーバン所長「やはり、一生に一度の買い物と言われている」
アーバン所長「マイホーム、やはり『ワクワク感』は絶対に必要なんです」
八郎「」
嫁「コクコクコクコク(←激しく同意している様子)」
アーバン所長「もちろん、間取り・生活導線当然考えさせていただきます!」
アーバン所長「しかしそんなのは家の作り手としては当然の事でして」
アーバン所長「その更に上の『施主の型をワクワクさせるようなデザインや機能美の提案』」
アーバン所長「我々は目指しているんですが」
アーバン所長「奥さまの我々を評価してくれる「眼」と」
アーバン所長「我々のコンセプトは見事に一致してします」
嫁「えー、ホントですかあー///」
八郎「」
こうして、2つの住宅営業の沼に
ずぶずぶにハマっていく情弱夫婦。
初動を誤るとはまさにこの事を言うのだろう。
こんなんで、本当に俺は納得しないにしても
嫁が納得する家が本当に建つのだろうか?
この時、営業を目の前にして
漠然と抱いた不安がまさか、現実となって
目の前に現れる事になろうとは。。。
俺の新しい家の話、今日はこれまで。
次回予告
ネオアーバンハウスの住宅営業は
まさかの営業所所長だった。
しかし、役所広司をチャラくしたような営業は
これまたチャラい芝居で俺たちを惹き付けようとしている。
嫁は術中にハマっているようだが
俺は全然この男に信頼が置けない。
俺はこの所長に反撃を試みる事にする。
そして、またしても「あの」案件で
俺たちの家づくりは暗礁に乗り上げる事になるのであった。
次回「その予算なら、マイホームを建てれなくもない!しかし。。。」
お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!
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