八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。
前回のあらすじ。
岡村工務店との2回目の打ち合わせ。
提案的には、嫁の希望もほぼ叶えられ
価格も総額3300万円と予算の3500万円内の提示に収まっている。
やはり土地代が450万円と安価なのが
総額が抑えられている最大の理由だろう。
Z市は自治体が転入による人口増に力を入れており
将来人口が本当に増えれば地価も上がる。
今安価なうちに買っておくのも手かもしれない
という勧め方をしてくる岡村営業。
ここで、実はエイシンホームにも話を聞きに言っている
という相見積もりを取ろうとしている事を伝えると
がっくりうなだれる岡村営業。
エイシンホームは岡村工務店の悪口を言いふらしたり
相見積もりで絶対に価格をくぐって提示することで
悉く岡村工務店と競合する顧客を奪い取ってきた事も
岡村営業は知っていた。
どうやらこの流れは恒常化しているようだった。
そして、なぜエイシンホームは岡村工務店の顧客を
強引に奪い取ろうとするのか、その深い理由が
岡村営業の口から語られようとしていた。
ちなみに最初からこの話を読んでみたい
という奇特な方にはこちらのリンクを紹介しよう。
それでは、今日も俺の家の話を始めよう。
先代の社長の方針は
八郎「エイシンホームはなぜ岡村工務店の悪口を言ったり」
八郎「競合している客を金にモノを言わせて奪おうとするんですか?」
岡村営業「あ、その話は聞かれていないんですか?」
八郎「はい、最初は悪口から始まって、その後ボッタくりと言いふらして」
八郎「そして見積もり持ってきたら、同じ施工内容で価格はくぐりますよ」
八郎「までは話してくれましたけど、それ以外は何も言ってなかったですね」
岡村営業「なるほど。。。そうなんですね」
岡村営業「いや、実は、お恥ずかしい話なんですが。。。」
そう言うと岡村営業は一瞬間を空けた。
下を向いて、その後意を決したかのように
私の目をまっすぐに見つめてこう話し始めた。
岡村営業「実は岡村工務店とエイシンホームは。。。」
岡村営業「昔は同じハウスメーカーだったんです」
八郎「えっ。。。」
岡村営業「我々は、A県(八郎の住んでいる県名)の小さな工務店としてスタートしました」
岡村営業「先代の社長『お客さまの気持ちに寄り添った家』をモットーに」
岡村営業「お客さまと何回も打ち合わせを重ねて」
岡村営業「お客さまの希望を取り入れつつ、我々のプライドもかけた」
岡村営業「『末永く住み続ける事が家づくり』を目指していました」
岡村営業「。。。その分、施工金額がかさむ事もありましたが」
岡村営業「嵩む理由もしっかり申し上げまして、お客さまが納得されたらサインをして」
岡村営業「実際に家づくりを始める、という少数の顧客とじっくり家づくりに取り組む姿勢が」
岡村営業「徐々にお客さまに評価され始めて、だんだん口コミからかお客さまが増えてきたんです」
岡村営業「しかし、先代の社長は方針を変えずに、お客さんの数を急激に増やすことなく」
岡村営業「自分が見る事が出来る範囲でのお客さまとの取引しかしませんでした」
なるほど、なるほど、とてもよくある話だ。
という事は。。。先代の社長がいなくなると。。。
何かが起こったんだろうと容易に予測が付く展開に。
袂を分かち合ったハウスメーカー
岡村営業「しかし、先代の社長が病気で亡くなると」
岡村営業「社内には2つの派閥に分裂します」
岡村営業「ひとつは先代の社長の方針をそのまま組む現社長、つまりは先代の社長の息子になるんですが、その「現状維持派」と」
岡村営業「これだけお客さんが建ててほしいと希望があるのだから、会社を拡大して全てのお客さまを取り込むべきだ、と言う「急拡大派」の2つに分裂します」
八郎「なるほど。。。(ベタ過ぎるくらい良くある話だ)」
岡村営業「結局、現状維持派が多かった岡村工務店は、路線を変更せず」
岡村営業「「急拡大派」は会社を乗っ取ろうと画策しましたが、工作の甲斐も空しく過半数の賛成を得る事が出来ず」
岡村営業「「急拡大派」の幹部は責任を取って下野することになったんですね」
八郎「と、いう事はエイシンホームと言うのは。。。」
岡村営業「はい、お察しの通り、その急拡大派の下野したメンバーで立ち上げたハウスメーカーです」
岡村営業「もちろん、うちの営業や技術者も引き抜いていきました、違法すれすれの方法で」
岡村営業「だから、エイシンホームはうちに並々ならぬ敵意を持っているんです」
岡村営業「エイシンホームの社長がうちの顧客だけには絶対に見積もりをくぐってでも」
岡村営業「強引に奪っていくのは、良く言えば『プライド』」
岡村営業「悪く言えば『嫌がらせ』という感じでしょうか」
なるほど、ドラマなんかによくある会社分裂。
それを地で行くような展開だ。
エイシンホームが岡村工務店を敵対視している理由も
エイシン営業が「ボスの方針です」と言っていたのも
良く分かった。
安いのは安いなりの理由がある
エイシンホームが岡村工務店を敵視しているのはよくわかった。
しかし、まだ納得できない理由もある。
それは「なぜエイシンホームは岡村工務店の見積もりをくぐる事が出来るのか」
である。利益度外視して、岡村工務店から顧客を奪おうとしているのだろうか?
八郎「しかし、なぜエイシンホームは岡村工務店より安い価格で」
八郎「施工できるんですか?利益度外視してやっているという事ですか?」
岡村営業「。。。」
この質問をぶつけると、また岡村営業は下を向いて
一瞬沈黙した。
しかし、また顔を上げて俺の顔を見つめてこう言うのであった。
岡村営業「私は先代の営業方針を指示しております」
岡村営業「先代の社長は、どれだけ競合他社の悪口を言いたくても」
岡村営業「それだけは言ってはならない、と言われてきており」
岡村営業「その教えを忠実に守ってきました」
八郎「。。。」
岡村営業「しかし、エイシンホームの総額が我々の金額をくぐる件については」
岡村営業「これだけは言わせてください!」
八郎「!!!は、はい。。。」
岡村営業「正味な話、大手ハウスメーカーのように大量受注と、資材の兼用がしっかりできているメーカーは」
岡村営業「仕入れ値を抑える事も出来るでしょうけど、基本我々地元ビルダーに卸す価格なんて」
岡村営業「殆ど変わらないんです。我々は昔からの実績があるので多少の利点があるくらいで」
岡村営業「エイシンホームはうちより新興メーカーなので、最悪でも卸値は」
岡村営業「うちと同じか、ややもすれば高いはずなんです」
八郎「それじゃあ、卸価格で吸収している、という事は無いんですね?」
岡村営業「それは絶対にないです、我々も卸業者に裏を取りましたから」
八郎「なるほど、では、なぜエイシンホームは岡村工務店より安いんですか?」
岡村営業「それは。。。申し上げられません。。。」
八郎「。。。他社さんの悪口になるからですか?」
岡村営業「ただ、これだけは覚えておいてください」
八郎「はあ」
岡村営業「安いのには安いなりの理由があるんです!」
八郎「」
岡村営業「家は一生に一度のお買い物です。よくよくお考えくださいませ」
俺の新しい家の話、今日はここまで。
次回予告
岡村営業から、エイシンホームが岡村工務店を敵対している理由や
なぜ同じ施工内容なのにエイシンホームの方が
見積もりが安くなるのか、に対する岡村営業の見解を聞き
エイシンホームへの不信感も募る八郎。
元は1社だったハウスメーカーが2社に分裂しての
骨肉の争いな訳だが
ここにきて、逆にエイシンホームの粗さや
不信感の方が募ってきた。
次回は「エイシンホーム」に話を聞きに行く。
果たして、若手チャラ男エイシン営業の「発言」や如何に。
次回「そんな悪いクレームなんて噂に過ぎません、信じないでください!」
お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!
|
|
|
【★告知★】家づくりをしている方を応援するサイト「コダテル」で八郎のブログが読める!詳細はコチラをクリック!!
画像をクリックすると、最新記事へとジャンプします!
このブログはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。尚、どこかで聞いたことあるような話もあるかもしれませんが、全て筆者の作り話ですので現実になぞらえて考えないようにお願いします。読んで気分が悪くなる方は読むのをお控えください。