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第64話 ゴミ集積所があるので土地代がお得です!と言われても

八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。

    

前回のあらすじ。

       

岡村工務店から紹介された(建築条件付き)土地は
なんと分譲地のゴミ集積所が併設されている土地だった。

これまで集合住宅にしか住んだことのない俺にとっては
ゴミ集積所のイメージは
✅「住人がゴミ出しルール守らない」
✅「小動物がゴミ袋を食い破って散乱」
✅「(全然関係ない住人が)不法投棄」
等、ネガティブなものしかない。
それを我が家の一角に抱え込むなんぞ
受け入れがたいとしか思えないのである。

    

だがしかし!
その一方で、ある思いも去来していた。。。

        

ちなみに最初からこの話を読んでみたい
という奇特な方にはこちらのリンクを紹介しよう。

それでは、今日も俺の家の話を始めよう。

やはり、圧倒的に情報量が足りてない

岡村営業「どうでしょう、ここは実際現場を見てみませんか?」

八郎「いやー、家の前をゴミだらけにされたくないんですよね(直球)」

岡村営業「でも、現場を見てもらうと、少しその気持ちは変わると思いますよ」

八郎「変わらないと思います(直球)」

岡村営業「ちなみにこの土地は、他の土地よりも若干広くなっているんですよ」

岡村営業「ゴミ集積所がなるべく居住区から離れるようにするためです」

岡村営業「なので、坪単価も他の土地よりお安くなっていますし」

岡村営業「。。。当然、上物もサービスさせていただきます」

八郎「。。。だいたい、どれくらいの提示になりそうですか?」

岡村営業「3500万円は全然下回ります、が。。。そのご紹介の前に」

岡村営業「まずは、現場を見てみませんか?」

       

岡村営業、執拗に現地に行くことを勧める。
値引きの話もチラつかせながら。
気持ち的にはここで断りたくもある。

        

しかし、我々にはひとつ、課題がある。
それは。。。

家づくりにおける情報量が圧倒的に不足している

という事だ。
岡村営業には申し訳ないのだが
まずは家づくりの情報を収集することが先決。
土地や建物の価格帯を知るのもさることながら
色々な土地や物件を紹介してもらい
それに付随するメリット・デメリットを蓄積していければ
少しずつではあるが家づくりの知識も深まり
住宅営業に安易に騙されることも
減るのではないか?

       

この部分の幅を広げていかないと
家づくり初心者のまま、営業に
いいように転がされてしまう可能性が高い。

         

嫁は黙って下を向いている。
わかる。
ここで家を建てたくないことくらい。
でも、情報収集なんだ。
俺たち、あまりに家づくりを知らなさすぎる。
決してここで家を建てる訳じゃないから。

       

八郎「わかりました、行ってみましょう」

嫁「!!!」

岡村営業「そうですよね!百聞は一見に如かずですよ」

          

嫁が驚愕の表情でコチラを見つめてきたので
とりあえずウインクをしておく。
。。。40代のスキンヘッドハゲデブおやじの
ウインクなので、他の人にしようものなら職質案件だ。
しかし、今は考えがあっての事であることを
嫁にシンプルに知らせるためにどうしたらいいか
を考えると、ウインクしかなかったのであった。

現調

八郎「大丈夫嫁ちゃん、心配しないで」

       

営業の車に乗り込む前に、ちょっと岡村営業との距離を開け
嫁にウインクの意味を耳打ちする。

       

嫁「私、あそこでは家建てたくないよ」

八郎「わかってる、それは心得ている」

八郎「ただ、俺ら、家づくりに関する情報量が決定的に不足しているから」

八郎「情報収集のために行くだけだから」

嫁「。。。ホントに?」

八郎「モチロン!嫁ちゃんの気持ちは分かっているつもりだよ」

嫁「。。。うんわかった」

          

とりあえず嫁の不安は取り除けたようだ。
それまで明らかに不満顔だったのが
余所行きの顔に戻っている。
さっき下向いて座っていた人とは別人28号である。
切り替えの早さに舌を巻く。

         

岡村営業の運転に揺られる事20分。
いよいよ分譲地が近づいてきた。
それまで、ボコボコのアスファルトで
車もギリギリすれ違えるような
センターラインも無い道路が
とある境から、最近舗装しましたけど、何か?
みたいな新装アスファルトに
センターラインも引いてある道に変化。
いよいよ、分譲地も間近、という事だろうか。

        

岡村営業「さあ、着きました!」

八郎「おおー」

嫁「。。。」

         

本当に説明通り山間を切り開いたような場所。
入り口から微妙に傾斜があり
奥に進むと若干高度が上がる感じ。
土地もビミョーに段々になっている。

         

16の分譲地は既に着工が始まっている個所もある。
4社の地元ビルダーが4つずつ土地を分け合い
建築条件付き土地として販売しているようだ。
未だに、地元ビルダーの看板が刺さったままの所もある。

      

そして、岡村営業が紹介しようとしている
ゴミ集積所がある土地も、岡村工務店の看板が刺さっている。

ゴミ集積所があるから土地代はお得です

岡村営業「どうですか?閑静な土地で、日当たりも良好ですよ」

              

重機や工具の音が響く中「閑静」と言われてもいささかシラケるが
しかし、工事の音が無ければ閑静なのは間違いない。
木立が風にそよぐ音すら聞こえてきそうだ。

       

確かに日当たりは良好だ。
今後、他の建物が建ちそうな雰囲気も皆無。
日照は保障されていそうである。
しかし今の我々には日当たりとかどうでもよく
土地に鎮座しているゴミ集積所がどんな感じなのか
そこが非常に気になっていた。

     

岡村営業「ゴミ集積所はこんな感じです」

         

分譲地の入り口から程ないところにゴミ集積所が既に設置してある。
開き戸タイプでしっかり壁も屋根もあるが
下部が15cmほど隙間が空いているのが非常に気になる。
ここも若干土地が傾斜しているので
下部に隙間が空いてしまうのかもしれない。

       

八郎「この、ドア付近の下の隙間はどうにかならないですか?」

岡村営業「ここはですねえ、若干土地が傾斜していてふさげなかったのと」

岡村営業「ゴミ集積所がカラスなどにやられないようにわりと密閉させた感じで建てたので」

岡村営業「若干の換気の意味もこめて開けています」

八郎「でもこれだと、野良猫などの小動物に入られちゃいますよね?」

岡村営業「なるほど。。。ちょっと対策を考えてみます」

          

まさかまさか、ゴミ集積所のトラブルをこの営業は知らないのか?
カラスの事は考えてくれているが、野良猫や小動物も
結構家庭ゴミ目当てにやって来ることを知らないのか。。。
いよいよ不安になってきた。

       

岡村営業「でもこの土地は、65坪と他の土地より10坪ほど広いんですが」

岡村営業「土地の価格は他の土地と変わらないので、お得と言えばお得です」

八郎「ま、まあお得かもしれないけど。。。」

岡村営業「でも、この広さを活かせば例えば駐車場4台とか出来ますね」

岡村営業「他の土地だとちょっと4台は厳しいかもしれないけど」

八郎「ほおぉぉぉ。。。」

嫁「!!!」

       

駐車場4台。これはイイ。
上ふたりの息子も車持ち。
家に来るときに駐車場が4台あれば
ありがたいのはありがたい。
。。。でも、これだけ周りに何もなければ
路上駐車しても誰も文句言わなさそうだけど。。。

       

そんな事を考えながら、少しずつこの家に住むことを
想像しつつある自分に、この時はまだ気が付いていなかった。

         

俺の新しい家の話、今日はここまで。

次回予告

岡村営業が紹介してくれた土地を現地で確認。
ゴミ集積所には若干の不満があるものの
土地が他より広い利点を活かして
駐車場は4台確保できると聞いて
ちょっと気になってしまう俺。

       

しかし、この土地、問題はそれだけではなかったのだ。

       

次回「公園のような土地が隣接する分譲地、それは公園ではなく。。。」

お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!

このブログはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。尚、どこかで聞いたことあるような話もあるかもしれませんが、全て筆者の作り話ですので現実になぞらえて考えないようにお願いします。読んで気分が悪くなる方は読むのをお控えください。

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