八郎だ(Twitter:@eightblog_hachi)
毎日の人も、久々の人も、初めての人も
ここへの訪問に深謝だ。
この物語は注文住宅について何の知識も無い夫婦が
思い立って注文住宅を建てようとしたら
どうなったのかを描いた「フィクション」だ。
良かったら立ち寄っていただきたい。
前回までのあらすじ。
嫁がマイホームは戸建てにこだわる理由。
それは幼少期の出来事にあるようだ。
読んでない方はこのリンクから。
途中で終わったので今回は
嫁の回想「後半戦」だな。
まあ、この話を聞いて、俺は
逆に納得したし、スッキリしたな。
嫁の夢を叶えようという気持ちになったぞ。
それでは、今日も俺の新しい家の話を、始めるとしよう。
怖いおじさん
長男「。。。お父さんとお母さんから言うなって言われたけど」
長男「やっぱり、お姉ちゃんには話す」
次男「ウエエエーーーーーン( ;∀;)」
長男は半泣きながらなんとか話そうとしてくれているが
次男は泣き通しである。
何かよっぽど怖い思いをしたのだろう。
嫁「次男ちゃん、ここはお姉ちゃんとお兄ちゃんしかいないから大丈夫だよ!」
次男「ウエッ、ウエッ。。。ヒック」
ようやく次男も嗚咽を堪えるレベルまで
回復したようだ。
それを見て長男が話し始める。
長男「僕と次男が家に帰ったら」
長男「姉ちゃんが言うように、にわとりもタケシも居なくなってて。。。」
長男「おかしいなあと思って玄関に向かったら」
長男「怖いおじさんたちがお父さんに何か怒鳴ってたんだ」
次男「ウエッ、ウエッ、ウエッ。。。」
怖いおじさん。。。
家に怖いおじさんなんて来たことなんて今までなかったし
にわとりや犬のタケシが居なくなっている異質な状況で
さらに玄関には怖いおじさんたちが
詰めかけていた場面を見せつけられ
気持ちの整理も出来ないまま
弟たちは相当怖い思いをしたのだろう。
嫁「。。。その怖いおじさんたち、何か言ってた?」
長男「僕たちが帰ってくるのをお母さんが見て」
長男「『お父さんの話が終わるまで子ども部屋で待ってて』」
長男「『終わったらお母さんが声かけるから』って言われて」
長男「僕たちおもちゃの部屋に行って待ってたんだ」
嫁「その間、何か聞こえた?」
長男「おもちゃ部屋にいる間は、怖いおじさんたちの声や」
長男「お父さんの話している声はかすかに聞こえたけど」
長男「でも、何て喋ってるのかはわからなかった。。。」
嫁「。。。そうかあ、そうよねえ」
長男「でもね、おもちゃ部屋に行く前に」
長男「怖いおじさんたちが話した内容は聞こえた」
嫁「!!!なんて言ってた!?」
長男「『子どもには話してなかったのか!?』とか言ってた」
次男「『かわいそうに』とか言ってたよ、(´Д⊂グスン」
「話してなかった」「かわいそうに」か。。。
恐らくつながりとしては
「子どもに話をしてなかった」
▼▼▼
「(今日いきなり家を出ない事を聞かされるのが)かわいそうに」
という流れだと辻妻が合う。
恐らく、お父さんは私たちに何かを隠していたのかもしれない。
ひょっとすると、家を出ないといけないのは
お父さんは前から分かっていたのかもしれない。
持っていくおもちゃ
しかしこの情報は、父と母から「お姉ちゃんには言わないように」
と言いつけられたことを破って
長男・次男は話してくれている。
うかつにこの事実を父や母に突きつけると
長男と次男の信頼を損なうかもしれない。
彼らが私を信頼して話してくれた以上
その信頼を裏切る事は、容易にはしてはいけない。
そう考えて、たやすく父や母に
この事を言うのは止めようと誓った。
とりあえず、私の心の奥に仕舞い
どうしても出さないといけなくなったときは
その時は弟たちに謝って理由を話してから
父と母に聞いてみようと思った。
嫁「話してくれてありがとね、おもちゃは決まった?」
長男「うん、僕はこれ!」
次男「僕は電車!!」
長男は特撮ヒーローの変身ベルト。
次男はプラレールの電車の新幹線先頭1両だけを持っていた。
嫁「次男ちゃん、新幹線、前の1つだけでいいの?」
次男「だってお母さんが1つだけ、って言われたから」
嫁「」
こんな異常事態でも、次男は母のいう事を
健気に聞こうとしていた。
嫁は、何かよくわからないけど
大人の事情に巻き込まれつつあることを薄々感じ
それでもいう事を素直に守ろうとする次男に
不憫さすら感じた。
嫁「お姉ちゃんがお母さんにお願いするから」
嫁「先頭だけじゃなくて、真ん中と後ろの車両も持っていきな」
次男「え?いいの!?」
長男「えー、じゃあ僕も変身ベルトとビームライフル持っていきたい」
嫁「はいはい、お姉ちゃんがお母さんにお願いするからいいよ!」
こうして、持っていくおもちゃも決まって
三人は玄関に戻った。
父の告白
その後、すぐに家を出発。
全員、こじんまりとした衣服類だけ持って
出かける感じ。
これが土曜の朝なら「あらどこかにお出かけ?お泊り?」
みたいな感じである。
しかし今日はド平日の午後。
しかも、カーテンや電化製品はそのままに
本当に衣類とちょっとした荷物だけ持って
家を出る事になった。
そして、それが我が家を見た最後の姿になった。
父は車で移動する道中で
なぜ家を離れないといけないのか
そのいきさつを簡単にではあったが話してくれた。
父の話をまとめると
✅会社で父が責任を持ってやっていた仕事が失敗した
✅会社に沢山の損害を与えてしまった
✅会社の損害を会社に返していかないといけない
✅家は売らなくていいように頑張ってみたけど、やっぱりダメで家を売らないといけなくなった
✅お前たちには迷惑をかけてしまって本当にすまない
✅でもお父さんはお金は会社に返していくけど、クビになっていないしこれからも今の会社に勤める
そんな感じだった。
会社に損害を与えたので、会社にその損害を返す
という流れは、社会人になれば「そんな話ある?」という感じだが
子ども心には「ああ、そういうこともあるんだな」
くらいにしか感じなかった。
父は、真摯に謝ってくれたし
父もたまにはそういう失敗もある
本当に会社に大きな損害を与えたなら
会社をクビになるんだろうけど
クビにならないという事は
会社も父を許しているのだろう。。。
そう思い、私はそれ以上何も言わなかった。
車で小1時間ほど走った先についた場所は
2DKのアパートだった。
父「さ、今日からここが新しい我が家だ」
嫁「。。。」
長男「。。。」
次男「。。。」
父が明るい声でそう言ってくれたが
その家にはほとんど何もなく
がらーんとしていて、寂しさが押し寄せてきた。
しかし、その寂しさを打ち消そうと母が
母「これからはどこにいてもお父さんとお母さんを感じる事が出来るよ」
と言われて、はっとした。
確かに前の家は、あまりに広すぎて
同じ家にいるのに物理的な距離感を感じていた。
父と母は優しかったのでこころの距離感こそ感じなかったものの
子ども部屋でひとりで遊ぶときは一抹の寂しさもあった。
部屋は狭くなったし、殺風景になったけど。。。
本当の距離感も近くなるかもしれない。
それはそれでいいかもしれないな、とちょっと思った。
その後、父はすぐに新しい家を出ては帰り
出ては帰りを2度繰り返した。
どうやら前の家から必要な物品を
持ってきているようだった。
最初の晩餐
新しい家の初の晩ごはんは
父が5食入袋ラーメンを作ってくれた。
5食分一気に作ってくれて
最後に、たまごを割って溶いて入れてくれた。
それが前の我が家に居たにわとりの卵であった事を知るのは
もっと先の話である。
父が珍しくご飯を作ってくれたことに
私や弟たちは変にテンションが上がったのを覚えている。
普段は母がいわゆる「手料理」的なご飯を作ってくれたので
逆にこういうジャンクっぽいご飯が新鮮だった。
5人が座るにはちょっと小さなちゃぶ台の真ん中に
大鍋を置いて、各自でラーメンを取り分けるスタイル。
これも逆に新鮮で、私たち子どもたち三人は
競うように食べた。
そんな私たちがラーメンでがっついている横で
母がラーメンをすすりながら
さめざめと涙を流しているような気がして
嫁「お母さん、大丈夫?泣いてるの???」
と聞いたが
母「あまりにラーメンが美味しすぎて急いで食べたら」
母「湯気が目に当たって涙が出ちゃった」
とおどけていたので安心した。
その日の夜は6畳一間に布団を4枚敷いて
家族5人で川の字のようになって寝た。
父や母が近いところにいてくれて
弟たちは逆に興奮していた。
新しい家の生活も
案外悪いもんじゃないかも
初日はそう思ったらしい。
俺の新しい家の話、ならぬ
嫁の昔の家の話、今日はこれまで。
次回予告
やっぱり2回では終わらなかったな、嫁の前の家の話(笑)
余計な描写が多すぎて、寄り道してしまった。
次回でマジで嫁の前の家の話を終わりにするから
まあ、付き合ってくれ。
次回「嫁のマイホームの夢はかなえてあげなきゃならん!と思った理由(3)」
お前ら、家は「建てたい」と思ったときに建てておくんだな!
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